京都から、新しい「共奏」のかたち
京都新祝祭管弦楽団は、日本ではまだ珍しい「プロアマ混成オーケストラ」です。
プロオケに少数精鋭のアマチュアが参加したり、アマオケにゲストとして数人のプロが加わったりするのではありません。各パートにプロとアマチュアが共存し、それぞれの経験と情熱を持ち寄り、お互いを尊重しながら、より良い音楽を追求します。
私たちは「プロがアマチュアに教える」という従来のあり方にとどまらず、「立場を超えて、みんなで共に音楽をつくる」ことを理想に、新しいオーケストラのかたちを実現します。
プロもアマチュアも成長するオーケストラ
何十人もの奏者が構成する集団の中で、いったい自分がどう振る舞えば、全体として良い音楽が生み出せるのか──
オーケストラの中での演奏には、ソロの演奏とは異なるスキルが必要です。そしてそのスキルは、実際にオーケストラの中で実践を重ねながら身につける必要があります。一方で、良質な経験を積むことができる「プロオケ」の席は、非常に限られているという現実があります。
京都新祝祭管弦楽団には、複数の名門オーケストラから何人ものプロ奏者が参加しています。日本のオーケストラを長きにわたって牽引してきたベテランプロもいれば、若くして首席として活躍するプロもいます。全体練習はもちろん、パート練習やセクション練習の場でも、「第一線での経験」にもとづく実践的な意見が、さまざまな角度からたくさん飛び交います。
そんな当団は、アマチュアはもちろんのこと、プロ自身も成長できるオーケストラです。どんな立場にあっても学びを忘れない奏者一人ひとりの姿勢が、当団を支えています。
多様性が生み出す「新祝祭サウンド」
当団は、ふだん異なる場所で活動するメンバーが、演奏会という「祝祭」のために集まって構成されるオーケストラです。
名門オケの中核メンバーが多く参加する点において、当団はバイロイト祝祭管弦楽団やルツェルン祝祭管弦楽団にも似ています。しかし、独自の特徴もあります──アマチュア奏者、一般学生、音大生、フリーで活躍する音楽家など、プロオケ団員以外にも多彩な奏者たちが所属していることです。
厚みと奥行きのある独自の「新祝祭サウンド」は、多様な人びとが各自の経験と価値観を持ち寄ることで生まれているのです。
みんなが自分を活かせる場
プロ奏者が音楽の専門家であるのと同様に、アマチュア奏者もそれぞれ専門分野を持っています。当団は、メンバー全員が自分の得意なことを存分に活かせる組織でありたいと考えています。
たとえば演奏会の運営には、ふだんプロジェクト管理に取り組むメンバーのスキルが役立ちます。コロナ禍においては、医師や研究者として活躍するメンバーや、危機管理の専門家であるメンバーの知見が活きました。
多様性に富んだこのオーケストラは、業界・立場・世代を越えた交流の場としても機能します。練習や本番に参加することが、自らの可能性を広げ、深めることにつながる。京都新祝祭管弦楽団は、そんな音楽集団です。
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